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衣類の保管

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衣料害虫による食害

昆虫が人間の生活環境に侵入し、被害を及ぼすようになると害虫と呼ばれるようになります。衣類害虫は小さいので目に触れる機会が少ないですが、家屋内またその周辺に生息する身近な昆虫です。私たちの生活環境が快適になったと同時に、虫たちにとっても環境が良くなり、活動期間が長くなっています。このことを認識し、家屋内に害虫を生息させない環境を常に整えることが大切です。

[写真]衣料害虫による食害の実例

品名 紳士用ジャケット
素材 毛75%、麻25%
取扱い絵表示 洗濯できないエンソサラシ×アイロン中ドライ
状態 ジャケットの左前身ごろに、たて糸が消失した状態で損傷している部分があります。
原因 衣料害虫による食害を受けて、毛のたて糸が消失したようになったものです。よこ糸は毛と麻の混紡で、麻だけが食害されずに残っています。原因が衣料害虫による食害であることは、繊維の切断面に特有の形状が残っていることから判断ができます。
特性 衣料を着用、または長期保管する段階で、衣料害虫による食害を受けないよう防虫剤等を適正に使用して対応することが基本となります。
繊維を食害する虫の主体は、ヒメマルカツオブシムシ、カツオブシムシ、イガ、コイガの4種類の幼虫です。いずれもケラチンと呼ばれるたんぱく質を分解する能力を持っているため、繊維そのものを栄養源として生育し、羊毛、毛皮、皮革などを食害します。食べこぼしのシミもご馳走となります。イガとコイガは、気温の比較的高い初夏から秋にかけての時期に幼虫が活発に活動し、繊維を食害します。幼虫は、巣を作り何匹もかたまっていることが多く、成虫は小さな蛾になるので比較的発見しやすいです。ヒメマルカツオブシムシとカツオブシムシは、夏から翌年の春にかけて幼虫が長期活動しますが、イガのようには目立たずに散らばっているので知らない間に食害を受けているケースが多いです。
虫を寄せつけないためには、まずクローゼットなどの保管場所に綿ぼこりなどをためないようにしっかりと掃除をして、防虫剤をメーカー推奨の使用量、使用方法、使用期間を守ってください。防虫効果をいきわたらせるためには、衣類を詰め込み過ぎないようにしてください。

~クリーニングニュース2010年6月号より~

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