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素材・製品について

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ポリウレタン樹脂「剥離」

ポリウレタンには、合成皮革などのコーティング樹脂としての用途があります。ポリウレタン樹脂の劣化による剥離を紹介いたします。

[写真]ポリウレタン樹脂「剥離」の実例

 

品名 ジャンパー
素材 綿100%のコールテンとポリウレタン樹脂による合成皮革を組み合わせたもの
取扱い絵表示 洗濯できないエンソサラシ×アイロンがけできないドライセキユ系
状態 後身頃に使用している合成皮革のポリウレタン樹脂が剥離した状態になっています。
原因 洗浄前には変化が見られませんでしたが、洗浄後に合成皮革部分が剥離しました。洗浄方法はわかりませんが、他店で4回ほどクリーニングしていたとのことです。コーティング(塗布)されたポリウレタン樹脂が長期の使用の間に空気中の水分などによる作用(加水分解)を受けることやクリーニングの処理を繰り返したことで劣化したことにより、剥離したものです。
特性 合成皮革は、生地の表面にポリウレタン樹脂を塗る(コーティング)などして、天然皮革をまねてつくられた素材です。多くは、基布とスポンジ層と皮膜の3層構造になっています。ポリウレタン樹脂は、軽くて、柔軟性に富む優れた素材ですが、空気中の水分などの作用によって加水分解されます。劣化が避けられない素材であり、寿命は製造から2~3年といわれています。
劣化すると、剥離、シミだし、ベタつきなどの変化となって現れます。
紫外線、熱、皮脂汚れなどの影響はさらに劣化を早めます。
劣化を加速させないためには、高温多湿の環境や紫外線を避けて保管してください。皮脂などの汚れを早めに除去してください。 水洗い、ドライクリーニングのいずれも不可を表示している製品もありますので、購入時に取扱い絵表示などで洗うことができる製品かどうかを確認してください。

~クリーニングニュース2009年11月号より~

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