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素材・製品について

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ウール製品「フェルト収縮」

冬物衣料の定番素材であるウールや獣毛の取扱いについては、十分認知されていると思われるのですが、いまだにフェルト化による収縮が生じています。ウール製品に注意が必要なフェルト化の事例をご紹介いたします。

[写真]ウール製品「フェルト収縮」の実例

 

品名 婦人コート
素材 表地・毛90%、ナイロン10% 裏地・ポリエステル100%
取扱い絵表示 洗濯できないエンソサラシ×アイロン中(あて布)ドライ
状態 起毛加工した織物のコートの表地が収縮して裏地がたるんだような状態になっています。表地は、本来のふくらみや柔らかさがなくなり、硬く縮まったような状態で、明らかにフェルト化していることが確認できます。また、表地表面の起毛加工は、絡み合って毛玉状に変化しています。
原因 ドライ溶剤中の水分が多すぎたり、コート自体が水分を含んだりしていたため、うろこ状をした毛表面のスケールが開き、ここにワッシャーでのもみ作用が加わることによってスケール同士の絡み合いが生じ、収縮となったものです。こうした現象をフェルト化といいます。
特性 羊毛の特性として、暖かい、弾力性がある、染色性が良い、燃えにくい、汚れにくい、湿気の吸収や発散能力に優れる、フェルト性がある、防音性に優れる、などがあげられます。
なかでも日常よく気がつく他の繊維と異なる性質は次の4点です。
  • 繊維がスプリングのように縮れている。
  • 水をはじく性質を持ちながら、水分(しめり気)をよく吸収する。
  • 洗濯などを乱暴にするとフェルト化してしまう。
  • ズボンやスカートにアイロンをかけると、きちんとした状態になり、長い間型崩れを起こさない。
製品自体がすでに汗などの水分を含みスケールが開いている可能性があるのですが、ドライ溶剤中の過剰な水分と製品自体が持っている水分が除去されていれば、ドライ溶剤の種類に関係なく洗浄によるフェルト化は生じにくいです。ただし、太くて撚りの少ない糸を使ったザックリとした生地やアンゴラなど柔らかな風合いの素材は特にフェルト化しやすいので注意が必要となります。

~クリーニングニュース2009年4月号より~

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